適当に書いたメモも投稿できずに消えてしまったので挫けていたが、天理時報(立ち読みページ)を見た。
一週間ぐらいで変わりそうなので見出しだけ置いておこう。
【天理時報 立教178年7月19日号 (4436号)】特集 “親里の食”支えて50年 炊事本部密着取材東京国際ブックフェアに道友社が出展天理教教誨師連盟 全国3ブロックで研修会海外8カ国・地域から おやさと練成会スタート教友有志の雅楽グループがモンゴルで初の雅楽公演ブックフェア 坂東元氏トークショー要旨(上)
こうしたものもあるので、今更ながらブックフェアの雑感を記そうと思う。
記憶をさかのぼり、2年前との違いを考えてみる。
縮小が明らかな業界
「ブックフェア」の入口(受付から左)で、取次業界第4位の栗田出版の民事再生法申請の報が配られていた。未来が暗い。
ブースの雰囲気はほぼ変わっていない印象だが、手塚ブースが入口付近に移動。確か2年前は道友社の横にあった気がするが、コネか運営の計らいか、いい位置につけていた。その割に以前ほど気合が入っていないように見えた。その近くでは、農協出版が頑張っていた。金があれば‥‥。
その他大手は、イベントやお披露目というよりは、ただのバーゲンセール会場だった。
来年からは、この再販価格維持制度の治外法権という部分だけが残っていくのかもしれない。
サウジアラビアが縮小してマレーシアが台頭していたのは印象的だった。絨毯スペースとよく分からないロボットは残っていた。以前、大きめのBGMをつかったサンドアートを、天理教のトークイベントにぶつけていたが、配置も規模も代わり今年のイベントはなかったよう。
代わりに、2年前は会場の端でCMを流し続けていた幸福の科学が天理教の横に。今度はアニメの宣伝を流し続けており、ブックフェアの建前すら考えない姿勢に唖然としてしまった。またどうも配置を意識したのか天理教教祖「中山みきの霊言」なる本が天理側にむけられていた。天理は壁でブロック。ただこの本、発売日が2014/7/30前後。昨年も同じ配置ということなので、原典類を20%オフで仕入れて製作された可能性が‥‥。視察に来たお偉いさんの、思いつき企画なノリでやってるんだろうか。
電子は打つ手なし?
2年前、フェアの会場は今年の倍ほどあり、電子ももっとバリエーションがあった。epub3.0が登場し、AmazonのKDPが始まった年でもあったからだろう。そんなときに、ボイジャーの無料セミナーで社長(?)が、「一年後には、ここにいるものは半分以下になっているだろう」的な話をしていたのをよく覚えている。
無駄に増えた電子書籍ストアや、異なる表示方法を持つ端末。そうしたものは早く淘汰され、一本化されてほしいが、相変わらず残っていた。このへんはまた今度考えよう。
フェア期間中は、epub3.1導入に関するセミナーも開かれていた。(JEPAサイト)
しかし、edupubとの連携ほか3.1の細かいものはこれから、協力してね。って感じだった。いや、そのうち真面目に考えてみたい。
個人的に見所が少なかったが、気になったのは電子書籍の取次だろうか。ストアが乱立するなかで、KDPだけでは何か損な感じがするが、他ストアは運営がよく分からない。そうなったときに取次を利用するのが得策ということになりかねない。
ただ、今の出版業界と同じで、個々の出版社なり作家なりに発信力がなければ販売ストアを増やしたからといって状況は変わらないだろう。数年のうちに、駄作でデータベースが膨らみ、淘汰がはじまる。取次フィルターで最終的に、紙の流通と同じように、大手と取次しか目立てないものになってしまうのではないかと心配になった。
電子図書館の話題もあった。フェアにもそうしたブースが出ていた。
今のところ細々と運営しているようで、これからしばらくもそうだろう。電子化に手間のかかる日本語コンテンツは未だ少なく英語コンテンツのようには数が増えない。固定レイアウト型だとデータスペースを圧迫する。売上とも競合するだろうから出版社へのメリットが少ない。相応の支払いがいるようになるのではないだろうか。アメリカではそんな議論があるようだが。
他フェアは盛況――?
併催していたのは、第5回「キャラクター&ブランド ライセンス展」、第4回「クリエイターEXPO」、第3回「プロダクションEXPO」、第3回「制作、配信 ソリューション展」、第1回「コンテンツマーケティングEXPO」、第1回「先端コンテンツ技術展」。
沈静化したブックフェアに比べ、よそは盛況な印象だった。
クリエイターの増加が目立った。1畳ほどのブースが並ぶさまはなかなか凄い。運営のリード社としてもいいカモを見つけたというところか。
ブックフェアで何か大きな発表があるわけでもなく、目新しい技術があるわけでもない。商談をうたうスペースもスタッフの休憩所となっていた。このイベントは出版・印刷各社の顔見せで続いてきたのだろうか。あるいは新人研修か。結局、人の集まる新品の値引きも中古市場を潤わすだけな気もする。
お金があれば面白い本と明るいニュースを持って帰れたかもしれないが、どうにも虚しい。
長くなったし遅くなったが、暗い気持ちになったというのが今年のフェアの感想だ。
(モブ)
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